やさしい神社学

やさしい神社学① 鳥居って、なに?

ナビゲーター:Gen & Ritchi(神社ログ編集部)

鳥居の前に立つハッチとココロのイメージイラスト

鳥居って、なに?

神社に行くと、まず最初に目に入るのが、あの赤い門のような建造物。
すっと空に向かって立つその姿は、どこか神秘的で、でもどこか懐かしい。
私たちは、それを「鳥居」と呼びます。

鳥居とは、神様の世界と、人間の世界を分ける“境界”です。
あの門をくぐることは、日常からほんの少し離れ、心を整えて神様に向き合うための準備。
つまり、鳥居はただの飾りではなく、神域(しんいき)への入り口なのです。

鳥居に向かってお辞儀するハッチのイラスト

鳥居の起源には諸説あります。
古くは「神様が降り立つときの止まり木」や、「天と地のつながりを示すしるし」とも言われ、
日本の信仰の中で自然に生まれ、形を変えながら今に至ります。

鳥居の色が赤いのは、「魔除け」の意味が込められているから。
赤い顔料に使われる「朱」は、古くから不思議な力を持つとされ、
神聖なものを守るための色でもありました。

また、鳥居にはいろいろな種類があります。
柱が太くて重厚なもの、屋根のような笠木(かさぎ)が乗っているもの、
金属製や石造りのものもあります。
形は違っても、“ここから先は神さまの場所”という意味は変わりません。

神社を訪れるとき、鳥居の前で一礼をするのは、
これから神さまの世界に入るという敬意と感謝の表れです。
そしてくぐるときは、中央ではなく左右のどちらかを通るのが習わし。
中央は、神さまの通る“正中”だからです。

何気なく通り過ぎていた鳥居には、実はこんなにたくさんの意味が込められていました。
そこに立つだけで、心が整っていくような気がするのは、
見えないけれど確かな“境界”を、私たちが自然に感じ取っているからかもしれません。

鳥居に向かってお辞儀するハッチのイラスト

まとめ

鳥居は、神様の世界と日常をつなぐ、静かなゲート。
神社に入る前のひと呼吸を大切にすることで、
ただの観光ではない“お参り”がはじまります。

次回のテーマ ▶︎ 第2話「狛犬って、だれ?」
拝殿の前にちょこんと座っている、あの不思議な石像たち。
彼らの正体と、なぜそこにいるのかを一緒に探っていきましょう。

-やさしい神社学

jaJapanese